八川社のブログ

プロ野球、電源不要、サイコロ野球

サイコロ野球の世界

堂本兄弟が堂上兄弟に見えたきめら・にせんのほうです。

我々の「インパクトベースボール」は俗に「サイコロ野球」と言われるジャンルのゲームです。
小さい頃エンピツをころがして「ホームラン」とか「三振」とか言っているのを見たり、実際にやっていたりしませんでしたか?
乱暴に言えば、その延長にあります。

日本で初めてのサイコロ野球がいつできたかは寡聞にして知らないのですが、昭和7年(1932)にはすでに存在していたことは確認しています。
近年では、タカラの「プロ野球カード」でしょう。
昭和51年(1976)に「巨人−阪神戦」という名で発売され、のちに12球団のカードが作成されました。
なお、サイコロ野球のカードに顔写真がついているのはこれだけです。
1999年にコ××と日本野球機構との間でゲームにおける肖像権の独占的使用契約が締結された(現在は無効)ために製造中止になったのは惜しいです。

国産のシミュレーションゲームメーカーが発売した作品として有名なのは、ホビージャパンの「熱闘12球団ペナントレース」です(1984−1990年発売)。
アメリカのAPBAというゲームを日本に持ち込んだもので、サイコロ1回で1打席の結果を出します。
結果は「ヒット」とか「アウト」とかの明快な結果ではなく、1から40までの数字で表され、それを打撃結果表(というか、小冊子)でランナーごとに分けられた表で確認します。同じ数字でも、ランナー状況が違えば異なる結果になるのです。
また珍プレー・好プレーも発生します。
今で言うD66で多種多様な結果を出せ、1試合に時間がかからない(15分でこなしたこともあります)ため、大変好評でした。
のちに「ペナントレース・モジュール」というペナントレースをするためのサプリメントが出されました。
また、「ウィニングショット」という別のゲームとつないで、1球ごとの試合をすることもできるようになりました。
現在は同人レベルで、名古屋工業大学シミュレーションゲーム部OBが年度別にデータを発表しています。
そして、このゲームの進化系として作られたのが「ザ・BIG野球」(1991−1992)です。
1打席は投球→打撃の2回振りで行われ、使用するサイコロも20面体に変わっています。
投手が投手カードで5種類の投球(1−5で表され、1が棒球・2が甘い球・3が打たせて取る球・4がボール球・5が三振を取る球を示す)を行い、それを打者が打って結果を出すことになります。
珍プレー好プレーは選手ごとの特徴として表され、珍プレー好プレーチャートの結果によっては特徴により「疑惑のホームラン」「死球を受けて乱闘して退場」などという結果が出ます。
このゲームも現在では「一発勝負」などのいくつかのサークルが同人レベルで作成しています。

さて、忘れちゃいけないのが翔企画の「オールスターベースボール」。牧啓夫氏の作品で、「インパクトベースボール」の原形となったゲームです。
1打席は投球→打撃→守備のサイコロ3回で表されます。
守備に「センター」があったり、けん制値があったりと、手軽さよりはリアリズムを優先した、まさに「シミュレーション」でした。
プロ野球シミュレーションの最高傑作という方もいます。

その血を受け継いだ「インパクトベースボール」はのべ800を越える「全ての」チームに対応する、最強のプロ野球シミュレーションゲームです。
ぜひ一度プレーしてみてください。