八川社のブログ

プロ野球、電源不要、サイコロ野球

全盛期の話

八川社代表の牧です。

八川社の企画「野球伝説」で改めて記録や雑誌等の記述にあたってみると思うことがあります。

それは、「全盛期」のことです。個々の選手を見ると「ああ、ここが彼の全盛期だな。」と思う年度がでできます。
いまの言葉で言えば「キャリアハイ」ってことでしょうか。

でも、それは個人の中での話なのです。王貞治と同時期のホームランバッター、イチローと同時期のアベレージヒッターは、いかに「キャリアハイ」であっても、タイトル獲得はおろか注目を浴びることは難しいでしょう。

そして、記録を後からみる場合、「ボールが飛ぶ・飛ばない」とか「ストライクゾーン等ルールの問題」で評価が分かれる場合もあります。

つい最近、太平洋戦争で特攻で亡くなった石丸進一選手を取り上げた「人間の翼 最後のキャッチボール」という映画のDVDを見ましたが、たぶん彼は「全盛期」を迎える前に亡くなってしまったのでしょう。

そのような戦没野球人も多くおられます。神田武夫投手の死因は肺病ですが、戦争中でなかったらあれほど無理することはなかったかもしれません。

「野球伝説 メジャーに勝った男たち」でとりあげたアルバイトのフッド選手はキャリアからみると、オリオンズの1年が間違いなく「全盛期」だったでしょう。しかし、同じアルバイト選手のカイリー選手になると、朝鮮戦争とそれにつながる日本でプレイは「全盛期」だったはずの時期を悪く言えば「無駄」されてしまったようにみえます。

アメリカの日系選手の中には、強制的に収容された、収容所のなかの野球が「全盛期」だった選手さえいます。

まったく記録に残っていない選手は無理ですが「サイコロ野球 インパクトベースボール」の力を借りて、いろいろな選手の「全盛期」のカケラでも見つけられたらいいですね。