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プロ野球、電源不要、サイコロ野球

インパクトベースボールがよくわからなくなるブログ−10

10回目は、作戦について解説しましょう。
【10 作戦】
野球には数多くの作戦があり、作戦は野球というゲームをより奥深く面白くしてくれます。ここでは、個々の作戦について見てみましょう。
【10-1 守備側の作戦】
守備側の取れる作戦は、前進守備・敬遠・積極守備の3つです。
【10-1-1 前進守備】
前進守備は内野ゴロでの3塁ランナーの生還を許したくないときに使用します。その代わり、ゲッツーが取りにくくなります。宣言タイミングは、投球のサイコロを振る前です。効果としては、バント守備のときに守備のサイコロに+5されること、内野ゴロで守備のサイコロが50を超えたときに「前進」の部分を見ること、内野ゴロのときに打者のDPが2倍(エンドランをかけられていたら3倍)になることです。
マユミ「宣言タイミング?」
いつまでに宣言しないといけないか、ですね。宣言タイミングより遅れた場合、その宣言は無効となります。
【10-1-2 敬遠】
打たれると困る打者に打たせたくないときに使います。宣言タイミングは、投球のサイコロを振る前です。効果ですが、敬遠を宣言された打者はそのまま1塁に四球で歩きます。
【10-1-3 積極守備】
打撃結果が出たあとで、ランナーを殺したいときに使います。宣言タイミングは打撃の結果が出てから守備のサイコロをふるまでの間です。効果ですが、宣言と同時に対応するエラー値が5増えます。そして、守備値を守備のサイコロに加えます。出た結果に[○]があったら、攻撃側にホームでのクロスプレーを強制できます。積極守備で増えたエラー値はそのイニング中増えたままになります。
コンタ「積極守備は諸刃の剣、というわけだな」
そうですね。エラー値がそのイニング増えっばなしというのは大きいですね。そうだ、積極守備は2回以上することができますが、するごとに対応するエラー値が5ずつ増えて行きます。重複した場合は都合10増えます。諸刃の剣どころの話じゃなくなりますから、注意が必要です。
【10-2 攻撃側の作戦】
攻撃側の作戦は、バント/スクイズ・エンドラン・盗塁の3つがあります。攻撃側はこのうちのどれか1つを選択して宣言することができます。宣言タイミングは投球のサイコロを振る前です。作戦を組み合わせることはできません。また、作戦が失敗した時に他の作戦に切り替えることもできません。
コンタ「バスターとかバントエンドランはできないんだな」
そのとおりです。繁雑になりすぎるのです。
では、個々の作戦について解説しましょう。
【10-2-1 バント/スクイズ
攻撃側はバントまたはスクイズを宣言することができます。バントには打者の『BT』値を使用します。なお、セーフティバントはできません。
マユミ「え、なんで?」
セーフティバントでセーフになった場合、ヒットになりますよね。その結果は『1B』のほうにすでに含まれてるんです。これでセーフティを認めると、ヒットの二重取りになるんです。
コンタ「それでは仕方ないな」
それから、ランナーが3塁にいるときは必ずスクイズになります。
コンタ「ランナー13塁で1塁ランナーだけ送ることはできない、と」
それも繁雑になりすぎるので、できなくしてあります。
では、手順を説明しましょう。
【10-2-1-1 バントの手順】
(1)まず、バントができたかどうかを判定します。攻撃側はバント表を参照してサイコロを振り、打者の『BT』値に当てはめて結果をだします。このとき投手の守備により、BT値に修正が加わります(++:-3/+:-2/#:-1/-:+1/*:+2)。結果は以下のとおりです。
E :守備側のエラーです。バント(スクイズ)守備表のエラー欄に従ってください。
*2:バント(スクイズ)守備表に移行します。守備のサイコロから打者の『BT』値の2倍を引いてください。
○:バント(スクイズ)守備表に移行します。守備のサイコロから打者の『BT』値を引いてください。
△:バントは失敗です。この打者は投球サイコロに+5して、通常の打撃を行います。
×:バントを空振りしてしまいました!これがスクイズなら、3塁ランナーはSRを1/20にして(小数点以下四捨五入、最低1)、ホームスチールを強制されます。バックは選択できず、捕手表では『肩』の元の値にかかわらず『8以上』の項を使用します。バントならランナーはそのままです。そのあと、打者は投球のサイコロに+5して通常の打撃を行います。
(2)バント表で『*2』『○』が出たら、バント/スクイズ守備表を用いて判定を行います。
『*2』なら『BT』値の2倍を、『○』なら『BT』値を守備のサイコロを引きます。『BT』値が『P』なら、これを0とみなします。守備側が前進守備をしていたら5を加えます。
『△』『×』が出ていたら、上記の結果に従います。
マユミ「バントができたかは2段階なのね」
『バントがフェアゾーンに飛んだか』がバント表、『バントの処理がどうなったか』がバント守備表と思えばいいと思います。
【10-2-2 エンドラン】
攻撃側は走者がいれば、エンドランが宣言できます。
まず、打者の『DP』値を確認します。投球のサイコロに『DP』に適応した数値(DP:修正/9:+4/8:+4/7:+5/6:+5/5:+6/4:+7/3:+7/2:+8/1:+8/0:+9)を加えてから打撃を行います。
コンタ「DPが多いほど打者が有利になるんだな」
打撃結果には以下の修正がつきます。
G :内野ゴロ守備表の注記に従います。加えて、打者の『DP』の2倍(前進守備なら3倍)を守備のサイコロから引きます。
1B:ランナーに関してのみ、結果の2コラム上の結果を見ます。
LG:ランナーに関してのみ、結果の2コラム上の結果を見ます。
OF:打者がアウトになったら、すべてのランナーのRRに+2してクロスプレーチェック(△扱い)をします。
IF:打者がアウトになったら、すべてのランナーのRRに-2してクロスプレーチェック(△扱い)をします。
HR:打者がアウトになったら、すべてのランナーのRRに+2してクロスプレーチェック(△扱い)をします。セーフならそのままの結果を適用します。
K :打者は三振でアウトです。すべてのランナーはSRを半分にしての盗塁を強制されます。先頭のランナーから判定していきますが、捕手表に移行した場合、バックは選択できません。
BB:四球です。
マユミ「2コラム上って表現は初めて聞くけど、何のこと?」
コンタ「シミュレーションウォーゲームではよく使う表現だ。参照した部分から2つ上の欄の結果を適用する、という意味さ」
1BやLGでは、例えば上からA・B・Cという内容があり、サイコロの目がCの項目にあたったとしたら、バッターの進塁はCのところ、ランナーの進塁は2つ上のAのところの結果を適用するんです。
マユミ「なるほどねぇ。ランナーはすでに走っているから、より有利になるのね」
コンタ「そのかわり、IFを出すと、すでに走ってしまっている分、戻り辛くなってしまうわけだな」
マユミ「でも、IFは内野フライでしょう?フライが上がっているうちに戻れるんじゃないの?」
ここでのIFはフライではなく、ライナーなんです。
コンタ「たしかに、それでは戻れないな」
では納得していただいたところで、次にいきましょう。
【10-2-3 盗塁】
攻撃側は盗塁を宣言することができます。走者の『SR』と捕手の『肩』が関係します。宣言タイミングは投球サイコロを振るまでです。二盗・三盗・本盗・重盗(三重盗)でそれぞれ方式が多少異なります。なお、エンドランで三振したときは、ランナーのSRをあらかじめ1/2(四捨五入)にしたものをSRとします。
【10-2-3-1 二盗】
(1)まず、ランナーの判定をします。攻撃側がサイコロを振ります。サイコロの目がランナーの『SR』以下なら盗塁成功で、ランナーは2塁に進みます。99以上ならけん制死でランナーアウトになります。それ以外の結果なら捕手の手番になります。
(2)ここでランナーは1塁に戻るか、2塁に強行盗塁するかを決めます。1塁へ戻るときはバックを宣言します。
守備側はサイコロを振り、捕手表を使って、捕手の『肩』とサイコロの目を比べます。攻撃側がバックを選択した場合は、『肩』の数値を-5します。『○』が出たらランナーはセーフ(盗塁成功、バックなら帰塁成功)となり、『×』ならアウト(盗塁死、バックならけん制死)になります。
(3)攻撃側がバックを選択した場合、投球サイコロに+5して、通常の打撃を行います。
【10-2-3-2 三盗】
10-2-3-1に準拠しますが、ランナーのSRを1/4(四捨五入)にします。
【10-2-3-3 本盗】
10-2-3-1に準拠しますが、ランナーのSRを1/10(四捨五入)にします。単独本盗のとき、捕手表に移行したら、必ずバックを選択しなければいけません。
ランナー3塁でのエンドランまたはスクイズにおいて本盗を強制されたときに捕手表に移行したときは、捕手のもともとの『肩』に関係なく『8以上』の欄で判定します。
【10-2-3-4 重盗】
盗塁に成功したときのサイコロの目がSRの1/2(四捨五入)以下だった場合、他のランナーを1人スタートさせられます。このときのスタートするランナーのSRはどこにいても本来のSRの1/2となります。
コンタ「なるほど、これならホームスチールもできるわけだ」
マユミ「どういうこと?」
コンタ「1塁ランナーがSR1/2以下で盗塁に成功したとする。すると、3塁ランナーを本来のSRの1/2でスタートさせられるんだ。単独本盗ならSR1/10だから、5倍の確率でホームスチールさせられるんだ」
はい、正解です。ランナー13塁からの重盗はよく見ますよね。ところでひとつうれしいお知らせが。
マユミ「なあに?」
基本ルールの解説がすべて終わりました。
コンタ「よくがんばった!感動した!」
マユミ「もう辞めちゃったでしょ」
コンタ「絶望した!と明るく言われるよりはいいだろうに」
……まだオプションルールがあります。おつきあいいただきますよ。ということで、次回はオプションルールの説明です。